水野未樹さん
検定事務
教習生と子どもの笑顔が働く原動力
2006年からポルトガル語での教習を導入した「静岡県セイブ自動車学校」は、年間約4200人の教習生が通い、うち約400人がブラジル人。事務職として20年勤務し、現在は子育てママとして働く水野未樹さんに、仕事を始めたきっかけ、やりがい、教習生との関わりなど、お話を伺いました。
世代や国が異なる教習生をサポート
― 「静岡県セイブ自動車学校」に入社したきっかけは?
最初は接客業がしたく、ホテルや旅館などを希望していたのですが、就職氷河期ということもあり内定が出なくて……。そんなとき、求人雑誌で「静岡県セイブ自動車学校」を見つけ、事務職と接客業という仕事内容にひかれ、応募しました。事務職には「受付事務」「検定事務」「配車事務」「経理事務」の4つがあり、受付事務を8年ほどして、出産と育児のために1年ほど産休。復帰後は検定事務に異動し、もう11年ほどになります。
― 仕事内容を教えてください。
検定に関する各種書類の作成や手続きを、パートさんと2人で担当しています。8時50分から技能検定の受付がスタートし、検定が終わる昼までに住民票や仮免許証の照合、入力などを終えなければいけないので、時間との闘い。普段、検定を受ける人は20人ほどですが、繁忙期には40人ほどになるので、なかなか大変ですね。検定が終わったら点数(結果)を書類に入力。卒業検定なら合格者に卒業証明書を発行します。
午後は、午前の残りを片付ける他、新しく入校した教習生に登録証明書を作成したり、免許センターに行き書類を提出したり、問い合わせの対応をしたり。10代の若い方もいれば、高齢者講習の方、外国人の方とさまざまなので、その人に合わせて臨機応変に対応しています。17時30分が退勤で、ほぼ定時で帰れています。
― 仕事はどのようにして覚えたのですか?
検定事務は、退職する前任から引き継ぎながら覚えました。分からないことは直属の上司がサポートしてくれるので不安はありません。教習所の書類は有印公文書であり、合宿免許で県外か来られる方も多く、ミスしたときの影響範囲が大きいので、一字一句間違わないように常に気をつけています。
― 外国人の方も多くいらっしゃいますが、コミュニケーションで大変なことは?
特に困ることはありません。外国人教習生は一生懸命に日本語で話しかけてくれますし、「何時にどこどこ集合だよ」と、こちらも簡単な日本語を使うよう心がけています。また、ポルトガル語を話せるスタッフに手伝ってもらい、簡単に理解できる資料を作ったこともありました。ブラジル人だけでなく、中国やベトナムの方もいらっしゃるので、迷っているそぶりを見せたら、こちらから声をかけるようにしています。
子育てできる社内体制が、仕事に集中できる理由
― 検定事務に必要なスキルがあれば教えてください。
いろいろな部署から指示が来たり、教習生から急に問い合わせがあったりするので、段取りよく仕事を進めるのが大切だと思います。でも、仕事をしながら身につけられるので、不安になることはありません。
― この仕事の魅力は?
無事に免許を取得できた方や、高齢者講習に来た方から「ありがとう」と言われるのがうれしいですね。あと、教習生からのアンケートで受付の評価が高いと、やっていてよかったと思います。私は読書が趣味なんですが、教務指導員からおすすめの本を借りるなど、スタッフ同士の雰囲気がいいのも、長く仕事を続けられている理由の一つだと思います。
― 子育て中のママにとって、働きやすい環境ですか?
夕飯の支度や家事などがあるので、定時であがれるのは非常に助かっています。子どもが熱を出し、急に仕事を休まなくてはいけないときも、スタッフがカバーしてくれるのが心強いですね。パートさんとも連携が取れているので、以前は休むたびに申し訳ない気持ちになっていましたが、今は任せられる安心感もあり、休むときはしっかり休んでいいんだと思えるようになりました。子どもが仕事の話を聞きたがるので、今日あったことを伝えると笑ってくれるのもやる気につながっています。
― 今後の目標をお聞かせください。
子育てが一段落したら、営業や生徒募集の仕事に携われたらなと思っています。机にじっと座っているよりも、お客さまと話すのが好きなので(笑)。まずは、会社や職場の方々に支えられているので、その恩に応えるためにも役立てるよう、今の仕事をがんばりたいですね。