sysmanager シルバ・高田・アルベルトさん
教習指導員
人に感謝され、自身も成長できる仕事
8歳のときにブラジルから日本に来日したシルバ・高田・アルベルトさん。工場で働きながら社会人経験を積み、6年前に「静岡県セイブ自動車学校」に転職し、教習指導員としてブラジル人をはじめ、日本語の苦手な外国人の免許取得をサポートしています。入社のきっかけ、仕事のやりがいなど、お話を伺いました。
一生続けられる仕事を求め転職し、1年で資格を取得
― 仕事内容を教えてください。
ポルトガル語を使い、ブラジル人をはじめとした外国人の学科教習、技術教習を担当しています。教習がスタートする9時前に出勤し、教習車の点検、教習原簿（教習生の学科や実技の進捗を記入した書類）に目を通し、前回できなかったこと、教習指導員からの申し送りなどをチェックします。教習車に乗るのは1日に8回ほど。忙しいときは、さらに2回ほど乗ることもあります。ポルトガル語の学科教習は、教習生が集まりやすい土曜日にまとめて4時間ほど行っています。外国人だけでなく、日本人を担当することもあります。
― 「静岡県セイブ自動車学校」で働きはじめたきっかけは？
前職は工場の正社員として働いていました。体力仕事のため長く続けられるか不安だったこともあり、安心して働ける仕事はないかHICE（浜松国際交流協会）に相談しました。当初は、大型免許を持っていたので大型ドライバーの仕事を探していましたが、HICEから静岡県セイブ自動車学校の教習指導員を紹介され、人に感謝される、やりがいのある仕事だと感じ転職を決めました。
― 教習指導員資格を取得するのは難しいと聞きますが、不安はなかったですか？
教習指導員になるためには、自動車の運転に関する知識や技能、法令、教育知識、技術指導方法、学科指導方法の6項目の試験に合格しなければいけません。静岡県の教習指導員の合格率は40〜45％と言われています。ポルトガル語の窓口対応といった事務の仕事をしながら勉強を続け、1年ほどで全ての科目に合格できました。
― 教習指導員として働きはじめ、どのように感じましたか。
「教えること」は前職でもしていたので、そこまで不安はありませんでした。むしろ、教習生とちゃんとコミュニケーションを取れるかの方が不安でした。他校の教習指導員と行う研修や、先輩のフォローを受けながら経験を積む中で、不安も小さくなっていきました。
今でも苦労するのは、教習生全員が同じではないということ。Aさんには伝わった説明も、Bさんでは分からないこともあるため、どのように説明したら正しく理解してもらえるか工夫しています。みなさん、忙しい中で教習所に通っているので、教習に遅れがでないよう、時間を無駄にしないように心がけています。
日本で働く外国人の未来を応援したい
― 教務指導員のやりがいを教えてください。
やはり「教習生から感謝されること」ですね。あと、教習を通じて自分自身が成長できることもこの仕事の魅力です。教習指導員は合格したら終わりではなく、そこからがスタート。すぐに良い教習指導員になれるわけではないので、日々勉強し、経験を積んでいくことが大切です。外国人教習生は、地元の方もいれば、合宿で来た方もいます。年齢も20代、30代、40代と幅広いのが特長。そんな方々の免許取得をサポートできるのが、この仕事の一番のやりがいだと思います。
― どのような方が、教習指導員に向いているのでしょうか？
責任感のある方だと思います。外国人の場合、免許を取得できないと仕事に就けないことも多く、みなさん、生活がかかっているので必死。それは日本人の方も同じで、教習生の未来につながる仕事だと理解することが大事だと思います。逆にコミュニケーション能力は、仕事をする中で養われていくのでそこまで心配する必要はありません。私もそうでしたから（笑）
― 転職されて生活は変わりましたか？
残業がなければ、17時40分に退勤できるのはうれしいですね。釣りが趣味で、以前はよく浜名湖に出かけていましたよ。3人目の子どもが生まれたときは、3ヶ月間の育児休暇を取り、産後の妻と一緒に子育てをしました。仕事への復帰もスムーズで、働きやすい環境だと言えます。
― 今後の目標をお聞かせください。
教習指導できる車種を増やしたいです。今までは普通車のみでしたが、先日大型車の指導員資格を取得しました。今後は、大型免許を取得したい外国人の方にポルトガル語で教習ができるようになり、多くの方に喜んでもらえるのがうれしいですね。今後は、けん引車や大型自動二輪の教習指導員免許も目指し、たくさんの方の免許取得をサポートしていきたいと思います。
